「お中元」とは一体何？ なぜ贈るのか、誰に贈るべきなのか、贈る時期や相場は？
そんな疑問をお持ちのあなたへ。
この記事では、お中元の意味や由来、関東と関西で異なる贈る時期、喪中の場合のマナー、喜ばれるギフトの選び方、のしの書き方、お礼状の書き方（ビジネス例文付き）まで、お中元に関するあらゆる疑問を徹底的に解説します。
定番ギフトから現金・お歳暮との違いまで網羅しているので、初めてお中元を贈る方も、毎年贈っている方も、この記事を読めばお中元マスター間違いなし！
この記事のポイント
●お中元とは何か
●お中元とお歳暮の違い
●お中元を贈る時期やマナー
●お中元に向いている贈り物
お中元とは？
●お中元とは？意味と由来
●お中元とお歳暮の違い
●お中元は誰に贈るもの？
お中元とは？意味と由来
お中元とは、日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちを込めて贈る夏の贈り物です。
お中元は、中国の旧暦7月15日の「中元節」と日本の「お盆」が結びついて生まれた風習です。
中国では、中元節は祖先を供養する日とされていました。一方、日本ではお盆にご先祖様の霊を供養し、親族や知人と集まり、お互いの無事を喜び合う行事です。
この二つの行事が結びつき、お世話になった方々へ贈り物をする習慣へと変化していきました。
現代では、親戚や友人、仕事関係の方など、日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちを伝えるための贈り物として定着しています。
お中元とお歳暮の違い
お中元とお歳暮は、どちらも感謝の気持ちを伝える贈り物ですが、贈る時期や意味合いが異なります。
お中元は、7月上旬から8月中旬頃に贈ることが一般的です。これは、夏の暑さ厳しい時期に相手の健康を気遣い、感謝の気持ちを伝えるためです。
一方、お歳暮は12月上旬から下旬頃に贈ります。1年間の感謝の気持ちを込めて、新年を迎えるにあたっての挨拶の意味も含まれています。
また、贈る品物にも違いがあります。お中元は、夏の暑さを乗り切るための清涼感のある食べ物や飲み物、旬のフルーツなどが選ばれることが多いです。
一方、お歳暮は、年末年始に家族や親戚が集まる際に楽しめるような、鍋料理の食材やお酒、ハム・ソーセージなどが人気です。
お中元とお歳暮は、どちらも相手への感謝の気持ちを伝える大切な日本の文化です。それぞれの違いを理解し、適切な時期に適切な品物を贈ることで、より良い人間関係を築くことができるでしょう。
お中元は誰に贈るもの？
お中元は、日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちを伝える贈り物です。
誰に贈るべきかという明確なルールはありませんが、一般的には、目上の方やお世話になっている方へ贈ることが多いです。
具体的には、両親や親戚、上司、恩師、習い事の先生などが挙げられます。
また、日頃お世話になっている友人や知人へ贈るケースも増えています。
ただし、公務員や学校の先生など、職務によっては贈り物を受け取ることができない場合がありますので注意が必要です。
お中元を贈る相手との関係性や、それぞれの状況に合わせて、誰に贈るかを判断することが大切です。
お中元を贈る時期とマナー
●お中元を贈る時期は？
●お中元の時期【関東】
●お中元の時期【関西】
●喪中の場合
●お中元ののし
お中元を贈る時期は？
お中元を贈る時期は、地域によって異なります。大きく分けると、東日本と西日本では1ヶ月ほど時期がずれるため注意が必要です。
東日本では、7月初旬から7月15日頃までにお中元を贈るのが一般的です。一方、西日本では、7月中旬から8月15日頃までとされています。
さらに細かく見ると、北海道や九州など、地域によって独自の習慣がある場合もあります。そのため、贈る相手の住んでいる地域に合わせて、適切な時期にお中元を贈ることが大切です。
もし贈る時期が遅れてしまった場合は、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として贈ることもできます。暑中見舞いは、立秋（8月8日頃）の前日まで、残暑見舞いは立秋以降に贈るのが一般的です。
お中元の時期【関東】
関東地方では、7月初旬から7月15日頃までにお中元を贈るのが一般的です。
地域によっては、6月下旬から贈り始める場合もありますが、7月15日以降に贈るのは避けた方が良いでしょう。
関東地方では、お中元を贈る時期が比較的早い傾向にあります。これは、関東地方ではお盆を7月に行う地域が多いためです。
お盆はご先祖様をお迎えする大切な行事であり、お中元はその準備として贈られることが多いと考えられています。
そのため、関東地方ではお盆前に贈り物が届くように、7月初旬から中旬にかけてお中元を贈ることが一般的となっています。
お中元の時期【関西】
関西地方では、7月中旬から8月15日頃までにお中元を贈るのが一般的です。
ただし、地域や宗派によっては8月いっぱいまで贈っても良いとされています。
関東地方よりもお中元を贈る時期が遅いのは、関西地方ではお盆を8月に行う地域が多いためです。
お盆はご先祖様をお迎えし、感謝の気持ちを表す大切な行事です。お中元は、お盆の準備として贈られることが多いと考えられています。
そのため、関西地方ではお盆の時期に合わせて、7月中旬から8月中旬にかけてお中元を贈るのが一般的です。
喪中の場合
喪中の場合でも、お中元を贈ることは可能です。
お中元は、日頃お世話になっている方への感謝の気持ちを伝える贈り物であり、お祝い事とは性質が異なるためです。
ただし、四十九日（忌明け）までは避けるのが一般的です。また、紅白の水引やのしは避け、白い奉書紙や無地の短冊のしを使うなど、控えめなものを選ぶようにしましょう。
贈る時期も、お中元の時期を避けて、暑中見舞いとして贈る、または時期をずらして贈るなどの配慮が必要です。
相手が喪中の場合は、事前に確認を取ったり、状況に応じて判断したりすることが大切です。
お中元ののし
お中元ののしは、贈る品物に添える熨斗紙（のしがみ）のことです。
熨斗紙には、紅白の蝶結びの水引が印刷されたものが一般的です。
蝶結びは、何度でも結び直せることから、繰り返しても良いお祝い事に使われます。
水引の上部には「御中元」または「お中元」と表書きし、下部には贈り主の名前をフルネームで書きましょう。
贈り主が複数いる場合は、右から目上の人を書き、3名までが一般的です。4名以上の場合は、代表者の名前を中央に書き、左下に「他一同」と書き添えます。
のし紙の選び方としては、贈り物の種類や贈り方によって使い分けが必要です。
例えば、
- 内のし: 品物に直接のし紙をかけてから包装紙で包む方法で、郵送する場合に適しています。
- 外のし: 包装紙で包んだ上から、のし紙をかける方法で、持参して手渡しする場合に適しています。
最近では、簡易的な短冊のしもよく使われます。
お中元を贈る際は、これらのマナーを守って、相手に失礼のないようにしましょう。
お中元ギフトの選び方
●お中元で喜ばれる贈り物
●ギフトの定番
●現金はNG？
●お中元のお礼状
●お中元のお返し
●お礼状の例文【ビジネスシーン】
●お中元のまとめ
お中元で喜ばれる贈り物
お中元で喜ばれる贈り物は、相手の好みや家族構成、ライフスタイルによって異なります。
ただ、夏に贈るものなので、涼しげな食べ物や飲み物、旬のフルーツなどが人気です。
例えば、アイスクリームやゼリー、そうめんなどの涼を感じられるものや、ビールやジュースなどの飲み物も喜ばれます。
また、相手の家族構成によっては、みんなで楽しめるような詰め合わせギフトもおすすめです。
例えば、家族みんなで楽しめるよう、個包装のお菓子やコーヒー、紅茶などの詰め合わせはいかがでしょうか。
さらに、相手の好みがわかる場合は、その好みに合わせた贈り物を選ぶと喜ばれるでしょう。
例えば、コーヒーが好きな方には、こだわりのコーヒー豆やコーヒーギフトセットを贈ると喜ばれるかもしれません。
相手のライフスタイルに合わせた贈り物も喜ばれます。
例えば、健康志向の方には、オーガニック食品やヘルシーなお菓子などがおすすめです。
このように、相手の好みや家族構成、ライフスタイルを考慮して贈り物を選ぶことが、喜ばれるお中元選びのポイントです。
ギフトの定番
お中元ギフトの定番としては、以下のようなものが挙げられます。
- 食べ物: そうめん、うなぎ、ハム、ゼリー、アイスクリーム、フルーツ
- 飲み物: ビール、ジュース、コーヒー、紅茶
- 日用品: タオル、洗剤、石鹸
これらの定番ギフトは、誰にでも喜ばれるため、お中元選びに迷った際に参考になります。
しかし、定番ギフトを選ぶ際は、相手の好みや家族構成などを考慮して選ぶことが大切です。
例えば、そうめんは夏にぴったりの贈り物ですが、すでにたくさん持っている場合は、別のものを選んだ方が良いでしょう。
また、相手の家族構成によっては、みんなで楽しめるような詰め合わせギフトの方が喜ばれる場合もあります。
定番ギフトを選ぶ際には、相手の状況に合わせて選ぶようにしましょう。
現金はNG？
お中元で現金を贈ることは、一般的にはマナー違反とされています。
お中元は、日頃の感謝の気持ちを伝えるための贈り物です。現金を贈ることは、相手の気持ちを考慮せず、事務的な印象を与えかねません。
また、現金を贈ることは、相手に気を遣わせてしまう可能性もあります。
お中元としてふさわしい品物は、相手の好みや家族構成、ライフスタイルなどを考慮して選ぶことが大切です。
もし何を贈れば良いか迷う場合は、定番のギフトセットやカタログギフトなどを選ぶと良いでしょう。
ただし、相手が現金や商品券を希望している場合は、この限りではありません。
その場合は、のし袋に入れて、表書きを「御中元」として贈るようにしましょう。
お中元のお礼状
お中元を受け取ったら、感謝の気持ちを込めてお礼状を送りましょう。
お礼状は、品物を受け取ってから3日以内に出すのがマナーです。遅くとも1週間以内には届くようにしましょう。
お礼状は、手書きで書くのが丁寧ですが、最近はメールやLINEなどで済ませる場合もあります。
お礼状には、以下の内容を盛り込むと良いでしょう。
- 時候の挨拶: 季節に合わせた挨拶の言葉
- 感謝の言葉: お中元をいただいたことへの感謝の気持ち
- 品物についての感想: 具体的にどのような点が嬉しかったか
- 相手の健康を気遣う言葉: 暑い時期なので、相手の体調を気遣う言葉
- 今後の関係を良好に保つ言葉: 今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉
お礼状は、形式にとらわれず、自分の言葉で感謝の気持ちを伝えることが大切です。
心を込めたお礼状は、きっと相手に喜ばれるでしょう。
お中元のお返し
お中元のお返しは、基本的に不要です。
お中元は、日頃の感謝の気持ちを伝えるための贈り物であり、お返しを期待して贈るものではありません。
しかし、目上の方からいただいた場合や、特にお世話になっている方からお中元をいただいた場合は、お返しをするのがマナーとされています。
お返しをする場合は、いただいた品物と同程度、もしくは半額程度の品物を選ぶようにしましょう。高すぎるものは相手に気を遣わせてしまう可能性があります。
また、お中元をいただいた時期によっては、暑中見舞いとしてお返しをするのも良いでしょう。
お返しをする場合は、感謝の気持ちを伝える手紙やメッセージを添えるようにしましょう。
お礼状の例文【ビジネスシーン】
拝啓
盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、過日には結構なお中元のお品を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
社員一同、大変美味しくいただきましたこと、心より御礼申し上げます。
今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
まずは書中をもちましてお礼申し上げます。
敬具
[日付]
[会社名]
[役職]
[氏名]
お中元のまとめ
最後に記事のポイントをまとめます。
- お中元は、日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちを込めて贈る夏の贈り物である
- 中国の「中元節」と日本の「お盆」の風習が結びついて生まれた
- 現代では、親戚や友人、仕事関係の方などへ感謝の気持ちを伝える
- 贈る時期は地域によって異なり、東日本は7月初旬から7月中旬、西日本は7月中旬から8月中旬が一般的
- 喪中の場合でも、四十九日を過ぎていれば贈ることができる
- のしは紅白の蝶結びの水引が一般的
- 表書きは「御中元」または「お中元」
- 氏名はフルネームで、複数人の場合は右から目上の人を記載
- 贈る品物は、相手の好みや家族構成、ライフスタイルを考慮して選ぶ
- 涼しげな食べ物や飲み物、旬のフルーツなどが人気
- 定番ギフトは、そうめん、うなぎ、ハム、ゼリー、アイスクリーム、フルーツなど
- 現金を贈ることは、一般的にマナー違反とされている
- お礼状は品物を受け取ってから3日以内に出すのがマナー
- お返しは基本的には不要だが、目上の方や特にお世話になっている場合は、半額程度の品物をお返しする
- お礼状には、時候の挨拶、感謝の言葉、品物についての感想などを盛り込む
- ビジネスシーンでは、時候の挨拶、感謝の言葉、今後の関係を良好に保つ言葉などを盛り込む
